knight×Laurentia!

□Knight×Laurentia!
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(ヒトラー視点)




私は彼――ムッソリーニとは顔見知りだった。
いや、顔見知りというには親しすぎる仲だったか。

私は後輩として、彼を仰ぎ尊敬していた。
彼は先輩として、私を庇護していた。
故に我ら再編成された夜鷲は、
ファッショから生まれたと言っていい。
その証拠に独自の階級である「フューラー」も彼の「ドゥーチェ」の訳語だ。

いつ、その関係が崩れたのだろう。
いや――私は、それを知っていた。
だけど、認めたくなかったのだ。

私たちは、独立した訳ではない。
彼ら…ファッショから逃げたのだ。

「――ルカ、」
「?、何だ?」

椅子から立ち上がり、彼を見つめる。
もう、私はファッショの一員ではない。

彼と私の話はしたくはなかったが、
彼への想いを断ち切るためにも一度話してみる覚悟を決めた。


「話そう、私と彼――ムッソリーニのことを」


長らく封印していた、心の奥底の思い出を引き出す。

懐かしさと、心苦しさ。
彼への様々な想いが混ざりあっている。


震える手で、赤い腕章を握った。







 
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