knight×Laurentia!
□Knight×Laurentia!
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(再びのスターリン視点)
目で訴えるフィアとアルに、
思わず笑いそうになるが微笑に止め俺は言った。
「悪いけど、俺はアンタの『性別』には興味が無いのだよ」
フィアとアルが目を見開いたのが見えた。
知らないとでも思っていたのか。
悪いけど、他人の弱みを握るのは得意なのだよ。
くすくす肩を震わせて笑う。
「お前…知ってたのか」
「俺に隠し事が出来るとでも?
まあ、任務までに話す気がなかったのなら
アンタを粛清するつもりだった」
「粛清…ふっ、お前らしいな」
「言うつもりはないから安心しな」
フィアはクールに、そしていつもと同じように笑った。
つられて俺も、そして取り敢えず安心したのかアルも笑った。
"彼"が落ち着いたようだったから
手を振り、フィアの部屋から出る。
すると扉を閉めたところで誰か―――恐らく、一人だ――の視線を感じた。
少し離れたところから一人の男が歩いてくるのが見えた。
ヒトラーと同じ、黒衣に赤い腕章をつけていることから夜鷲部隊の一人だろうか。
「こんばんは、スターリン殿」
すると明るい感じの雰囲気の男が走りよってきた。
薄い茶色の癖毛に薄紅の瞳。
見たことのない男だった。
「アンタは?」
「僕はクビツェク。
ちょっとヒトラーを探してるんだ。
君たちと一緒にいたはずなんだけど」