knight×Laurentia!
□Knight×Laurentia!
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(スターリン視点)
アルがフィアを引っ張り出ていってしまったため、
会議室には、俺、ヒトラー、シスト、ルカしか残っていなかった。
これでは作戦会議どころではない。
それに先程からルカが物凄くヒトラーを睨んでいる。
「…ヒトラー、さっきのはどういう意味なんだ?」
フィアも勿論気になったであろう、彼の発言。
たしかにファッショは他人の秘密を暴こうとする。
規律のとれた集団を作ろうとしたらたしかに個人の秘密は邪魔で厄介なものだが…
問題は、彼の発言の仕方。
彼の言い方だと、フィアが隠したい秘密を知っているようにとれる。
だが、フィアとヒトラーは出会ったばかりだ。
まだ名前しか彼は言っていない。
その僅かな時間と情報だけで、何がわかるというのだろうか。
「…ファッショ相手に秘密を守りきるのは難しい。特にドゥーチェには」
ちら、とヒトラーが後方のルカを見る。
ルカは難しそうな顔をしながら、ヒトラーを睨んでいた。
ヒトラーは視線を戻し、体ごとルカの方を向く。
ルカが低い声でヒトラーに言った。
「お前は、フィアを任務に参加させるなと言いたいのか?」
たしかにそうも取れる。
ただのはったりで、フィアを参加させないようにしていると。
それを聞き、ヒトラーは困ったように笑うと、今度はルカの方に歩み寄る。
うって変わって妖しげな笑みを浮かべ、
ルカ、シスト、俺の順に見て静かにこう言った。
「貴方方も気を付けた方が良い――…」
蒼い瞳が一瞬紅く光った、気がした。