ぽん小説

□友達の定義
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「んー…ちょっといい?」
講師が解釈の途中、腑に落ちないといった顔で幾つか質問をあげた。
あいつはその質問に緊張しながらもきちんと筋道の通った答えを出した。
すると講師は首を傾げ、さらに質問をする。
あいつはきちんと分かりやすい答えを出す。
そんなことが繰り返されるうちに講師もあいつも苛ついて来たのか最後はとうとう喧嘩腰になる。
「だからそこは…!」
「違うって!なんでわからないかなぁ!…あ」
講師が時計を覗く。
いつの間にか二人の口喧嘩は授業終了時刻まで続いていた。
「…はぁ」
嫌な予感は的中。
あいつは、この講義の度に何故か全力で担当講師との口喧嘩をしている。

「うー…!」
「ほら落ち着けって。大丈夫か?」
「だって!だって!」
講義後、あいつはまだ納得してないのか何度も何度も俺に説明をしてくる。
「…わかったよ、お前の言ってることはわかるんだ。だけど先生の解釈もちゃんと筋が通ってる」
「そんなことわかってる!ただこの解釈があるのもわかってほしいんだもん」
担当講師も絶対喧嘩になるとわかっているので、あいつをあまり指名しない。
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