ぽん小説

□橋を渡りきるまでの話
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今日は、彼女と電車に乗って街中に行った。
そう、電車に乗って、街に行ったのだ…これはとても珍しいことである。
彼女と育った地元である我が田舎は、電車に乗る機会が極端に少ない。
なぜならば、我が田舎は車が一人に一台あるレベルの車社会だからだ。
日本の田舎は、車社会なのだ。
そんなわけで、車がなきゃ、近くのスーパーだって行くのが大変という、田舎社会に暮らす我母のお言葉は至極全うなものである。
そんなことを思いながら、彼女と電車内でぺちゃくちゃおしゃべりしていると、電車はあっという間に街に着いた。
あぁ…街は、見飽きることがない素敵な場所だ!
一日中ふらふらしても全然時間が足りない。
なんかもうきらきらしてて、田舎にはないパワーがある。

大人になったら、こんなとこに住めたらいいのに!

後ろ髪を引かれながら乗った帰りの電車内、自身の街への憧憬を彼女に語っていると。

「じゃあ将来一緒に街にでようか」

ちょっとうとうとしながら彼女はこう言った。
それなのに、なぜ?
死ぬ?
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