でこ小説

□したたかに
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「駄菓子屋はお菓子貰っちゃいけねぇの?」
「いや、だめじゃないですけど…」
語尾を濁したその言葉に駄菓子屋は首をひねった。
青いエプロンを着けながら学新は、思ったことを言おうか考えてしまった。

「駄菓子屋さん、学新くんはハロウィンに乗じて儲けないのかって聞きたいみたいだよ」
店内の壁の飾り付けを終えたホストは、脚立を片付けた。
ホストの発言に学新は眉をひそめる。
「儲けよう…って露骨じゃないですか」
「あれ違うの?」
「まぁ、違わないです」
「あはは、素直だね」
駄菓子屋さん終わったよ、と言ってホストは駄菓子屋に脚立を渡す。
「はろうぃんって儲かんの?」
「駄菓子屋さん、儲けたい?」
「勘定やだからいいべ」
駄菓子屋は首を降った。
仮にも経営者がとんでもない発言だ。
「だって、学新くん」
「…はぁ」
駄菓子屋の言葉にアルバイトである学新は苦笑するしかない。
ホストはそんな学新をみて微笑んだ。
「まぁ駄菓子屋さんなら儲けようとしなくても儲かると思うけどね」
「えっ?どういうことです?」
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