でこ小説

□一
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ねこ耳は急に立ち上がると三人に向かって枕と布団を投げつけた。
「うるせぇ!話が先に進まないだろうが!」
「きゃんっ!!」
「わっ!!」
「ちょ、副隊長。やめ…落ち着いて!」
犬耳とカエルは怯え、隊長は完全に巻き添えを食らった。
「まったく…初回くらいちゃんとやろーぜ。だからこの小説進展しねぇんだよ。作者が書き初めてここまでで5日だぜ?」
「だって…今回の原稿自信あったんだもん」
犬耳が副隊長の言葉にうなだれる。
実際にフードの耳が垂れているので、その姿は飼い主に叱られた犬のそれだ。
いじけてカエルに抱き付いき、顔を上げない。
「どんな企画だったの?別に内容を否定したわけじゃないから言ってみ?」
隊長は犬耳が可哀想になって聞いてやる。
「………」
「聞いたら、みんなでやってくれるん?」
犬耳が何も言えなかったので、カエルが代わりに聞いてやる。
「うん。やるよ?副隊長もやるよね?」
「もちろん」
副隊長は弄っていたパソコンの画面を閉じた。
「…もう怒ってない?」
半泣きの犬が顔を上げた。
「怒ってねぇよ。俺もちょっと悪かった」
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