でこ小説

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ホストはそんなお嬢の様子に全く動じていない。
「なんで嘘ついたか理由を知りたい?」
「興味はあるな。ついでに言っとくが、オレを利用するなら高くつくぜ?」
「お嬢様にはやっぱり敵わないなぁ」
嘘がバレたというのに、ホストは至って暢気だ。
お嬢の方も格段怒ったような素振りすら見せず、意地悪そうに笑っている。
「今日はねぇ、狗のホストさんの方のお仕事なんだよねー」
「なるほど。だからオレにも気合いれて綺麗にしてこいって言ったんだ」
「そー、ちょっとお嬢にも協力して欲しくて」
にこにこと笑うホストは、懐から取り出した棒つきの飴を、丁寧に包みをはがしてぱくりとくわえた。
「良いけど?対価は?」
「お嬢様のお望みのものを一つ差し上げましょう」
「ふぅん。なんでもっていって良いのかよ?」
「あー、なんか怖いな。俺が出来る範囲のもので、よろしく」
「まぁ考えとく」
「じゃあよろしくお願いしますね、お嬢様」
「はいよ、合点」
ホストの飴を奪い取ったお嬢は、にいっといたずらっ子の表情をして言った。

「あれ?」
繁華街のとある十字路。
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