でこ小説

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「誰が自称だコラ。ちゃんと免許持ってんよ」
それからしばらく、駄菓子屋の店内には、小さなテレビから漏れる音しか聞こえなくなった。

「長いな…」
自称医師の煙草が半分の長さになった。
「持ってきたべ!」
突然、奥に消えていた駄菓子屋が、自身程の大きさのプラカードを持って戻って叫んだ。
「…でかいな」
「頑張ったんよ!」
駄菓子屋は自称医師に向かってピースをする。
そして何故か医師に向かって説明を始めた。
「じゃあまず、イッシーは保育士んとこの保育所の隣の夜間診療メインの診療所のお医者で、イッシーは身長が保育士とおんなじで髪が学新くらい短くて、イッシーは医師のイッシーなんよ?」
「伝わってる気がしねぇが大丈夫か?」
「そしてこれがイッシーの医師免許ですっ!」
じゃんっと、駄菓子屋がひっくり返したプラカードには、自称医者の医師免許が磁石で止められていた。
「…なんでこれがここにあるんだ?」
自称…いや、医師はうっかり煙草を落としそうになりながら、上機嫌の駄菓子屋をみつめた。

「あれ?」
医師が煙草と自身の医師免許を持って、駄菓子屋の店内を去ったあと。
「お嬢とホストだ!」
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