でこ小説

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「…あぁ。だから学新か。まぁ今回は結構良いんじゃねぇの?…って、駄菓子屋は?」
「あそこで勘定してます」
「…なんか宗教みたいになってんな」
保育士と学新の視線の先には
「い〜ち、にぃ〜い、さぁあん」
と、駄菓子屋を中心に円になった子ども達が集まって10円玉を数えていた。
チャリンッ…チャリンッ…と10円玉が一枚ずつ落ちていく様子は何かの儀式のようだ。
「多分今、話し掛けても怒られますね」
「そうだな。あ、なんかカレーの匂いすんな」
「あぁ今日はカレーです。帰りに食べていかれますよね?」
「おぅ。なんかちょっとテンション上がるな…!うっし、そろそろ子ども達送っていくわ」
おーい、そろそろ夕飯の時間だー行くぞー、と保育士は声を張った。
その声は子ども達を魔法のように集めてしまう。
すぐに店内のあちこちにいた子ども達は、保育士の側にかたまった。
「じゃ、学新と駄菓子屋に挨拶な」
『はーい!』
「せぇの」
『だがしやさん、がくしんさん、またあした!』
「はい、また明日」
「じゃーねぇ」
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