でこ小説

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10円10円10円10円10円10円10円10円10円10円10…
「あー!なんでこんなに10円玉ばっかりなん!?」
夕日が沈みかけ、街のネオンが輝き始める頃。
駄菓子屋は、ぼろ屋の中心で叫んでいた。
「だからぼろ屋と違う!だ・が・し・や!」
「もーうるさいですよ、駄菓子屋さん。子ども達が驚くじゃないですか」
「だがしや、うるさい」
「うるさいー」
「なんだとぅ!今の声は小太郎と姫花だな!」
せいかいー、と笑いながら走り回る子ども達に駄菓子屋はますます赤くなって吠える。
そんな駄菓子屋に、学新は呆れたように苦笑した。

歓楽街の片隅に店舗を構える駄菓子屋の店内はいま、三歳〜五歳までの幼児独特の甲高い笑い声や泣き声がして、大変騒がしい。
「駄菓子屋さん、落ち着いて下さい。みんな駄菓子屋さんの大切なお客様でしょう?」
先ほどまで小太郎と姫花を追いかけ回して疲れきっている駄菓子屋に、学新は諭すように話し掛けた。
「だってさ、みんなが10円玉でお金払うんだもん。計算出来ないよ。いっそのこと千円分くらい買い物して欲しい」
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