でこ小説

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夕日が空をオレンジ色に染める夕暮れ。
沢山のコンクリートの立派な建物が並ぶその末端、木造建築のぼろ屋で、駄菓子屋がひとり、ごろごろと寝転がっていた。
真っ白のタンクトップに青い短パンという夏休みの小学生のような格好に、顎の辺りでバッサリ切った髪が一束ぴょこんと飛び跳ねている。
眉をきゅっと引き絞って、口を尖らせながら、駄菓子屋は縁側から居間続きの台所を眺めていた。

「なぁなぁ」
駄菓子屋は台所に向かって口を開いた。
しかし反応が返ってこない。
「がーくーしーんー」
今度はもう少し大きな声を出してみる。
「………え?誰?」
すると今度はちゃんと声が届いたのか、台所から一人、姿を表した。
銀色フレームの眼鏡をかけ、青いストライプのエプロン着けている以外容姿に特徴のない青年だ。
駄菓子屋はうつ伏せの体勢から仰向けになって、青年に
「君のことだよぅ。学新。なぁお腹へったべ」
と言いはなった。
どうやら空腹のせいで、駄菓子屋はちょっとばかり不機嫌なようだ。
「…駄菓子屋さん。毎度のことですがあだ名は統一しておいてください。あと地の文が普通に失礼です」
「確かにぼろ屋は失礼だいね」
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