でこ小説

□ニ
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秋晴れの空に、ぽこぽこと真っ白な雲がいくつか流れる、のどかな陽気。
田んぼと畑に囲まれたこちらものどかな田園風景の間を、連れだって歩く、男四人組の姿があった。
「と、いうわけで今回も始まりました…『何かし隊』隊長の…俺です」
四人の最後尾をいく、フードにうさぎ耳がついた着ぐるみを着た男が言った。
男の額からは、滝のように汗が流れているにも関わらず彼の、無駄に甘いマスクは一切崩れていない。
一見するとふざけた格好のこの男は『何かし隊』というふざけたネーミングの隊の隊長だ。
ちなみにこのふざけたフード付き着ぐるみは隊服である。
「うるせ!ふざけた言うな…」
「隊長大丈夫ー?おんぶしてあげよーか?」
先頭を行く犬耳の着ぐるみの男が、隊長に話しかけた。
背が低く、声が高いこの男はマスコットキャラクターの犬だ。
「前回は気づかなかったんだけど、犬ってちょっとどーなんだろう」
犬は手にそこら辺で拾った細長い枝を持って、左右上下に振り回した。
「マスコットキャラクターの犬だと長いから略して犬なんだ。諦めろ」
メタルフレームの眼鏡をかけた男が、汗で落ちる眼鏡を外しながら言った。
ねこ耳の着ぐるみを着た男は副隊長だ。
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