でこ小説

□一
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鳥のさえずりが心地よい晴れた青空の日。
とある田舎の川沿いの家に四人の男が集まった。
「というわけで今回も始まりました『何かし隊』司会は隊長の俺様でーす」
男達が集う一室の、唯一あるキャスター付きの椅子に座った男が言った。
無駄に顔立ちの整った、いわゆる甘いマスクをしているが、なぜかうさぎ耳のついたフードの着ぐるみを着ている。
「今回もじゃねーよ、今回が初めてだよ」
と言ってベッドの上でパソコンを弄っている男は、ねこ耳のついたフードの着ぐるみを着ていた。
メタリックなフレーム眼鏡をかけて知的そうな容姿なのに着ぐるみのせいで台無しだ。
「あ、そうなだっけ?誰が書いたのこの原稿?」
隊長が持っていた原稿をパラパラとめくる。
原稿の字は蟻がタップダンスを踊ったような前衛アートな書体だったが、うさぎ耳には解読できるらしい。
「オレでーす!」
「俺も手伝った!」
犬耳がついたフードの着ぐるみの男がまず手を挙げ、続いてカエルの目がついたフードの着ぐるみの男が自分を指差す。
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