思い出す笑顔
□あなたは窓越しに何を思う
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「だから、俺、お前が幸せならソレで良いんだ・・・・・・・・・・・」
「・・・・・っ」
しあわせなんかじゃねぇ。
こんなの
全然幸せなんかじゃねぇよ
苦しい。苦しい。
「不動・・・・」
「源田っ」
何故
何故笑う―――――・・・?
・
呼吸音が消えた。
うるさい目覚ましのような音が
俺の耳を突き抜ける
その音は
なんとも
苦しい音だった。
源田
源田
俺は、たった一つのこのきっかけで
なくしてしまった大切なものの名前を
何度も何度も
連呼するのだった
あれから1年
俺は今だにあの日々を思い出してしまう
後悔や未練は確かにありすぎて困るが、
それ以上に
俺は可笑しいんだ。最近。
『不動の顔を見てるんだ』
その言葉が頭から離れなくて
脳裏に焼きついて
笑ってくれ
可笑しいだろう?
俺の部屋の窓から
必ずいつも
・
お前の笑顔が見えるんだ
Fin