キセキの物語 ブック

□3夜
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俺たちは皆が集まっている学校に行くことにした。


あそこには、いざっていう時につくられた隠し部屋があると聞いた。


背を出来るだけ低くして歩いていると、俺はふと気付く。

……茜って裸足だけど、いいのか?


眉間に微妙な皺を寄せ、唸る俺に違和感を感じたのか俺の服を引っ張る。


「どうかしたのか?」


『えっ!? 何にも、だけど!!?』


不自然なぐらいに声が高くなる俺に首を傾げる茜。
へんなの…と言い、再び歩き始めた。


『ところでさ…茜は何でその憑子だっけ?それを保護しに?しかも一人で…。
どうみたって俺と同い年に見えるけど』


「何でって言われても……これが今回与えられた課題だからな。
だいたいお前は年いくつなんだ?」


課題という言葉に違和感を感じたが、相手には相手の事情ってのがある。
だから俺はあまり気にすることも深く聞くこともしなかった。


『……えっと…、15だけ「はっ!!!? 私の1個下なのか!?」


途中で言葉を遮る茜は綺麗な蒼色の瞳を真ん丸にし、俺を見つめる。


逆に俺は彼女の声に驚き、声が出ないでいた。


「なら私は人生の先輩ってやつなのか……」


ぶつぶつと呟く彼女に何処か恐怖を感じたとは俺は決して言わなかった。




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