ぉりじ

□道化師は誰?
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*王道?書記×脇役平凡?
*書記が残念な感じになります




今日もいつものように時は進む。



「永輝(えいき)!永輝もこっちにきて話しよーぜ!」
「…(ふるふる)」



いわゆる王道と呼ばれる生徒会書記は、自分の机に座りながら首を振る。
永輝と呼ぶのは可愛らしい容姿をした小さな男の子。周りにイケメンと呼ばれる美形たちを従えて不満そうな顔をsる。



「唯(ゆい)、あんな無口な奴に構う必要ありませんよ」
「そうだよー。唯には俺がいるっしょー?」
「「僕たち、だよ。バカ会計」」
「黙れ。唯、こんな奴らほっといて俺の部屋行こうぜ?」



上から腹黒副会長、チャラ男会計、双子庶務、俺様会長である。
5人はそれぞれ書記を睨みつけた後、唯と呼ばれる可愛らしい男の子の方を甘い視線で見つめる。



「お前ら、そういうこと言うなよ!!永輝は恥ずかしがり屋なだけなんだからな!!」
「唯ってば…本当に優しいですね」



副会長が唯の頭を撫で、それを不満に思った周りの役員達が騒ぎだす。
その騒ぎを抜け出して唯が永輝に近づいた。
永輝の側にいた、今まで存在を隠すように小さくなっていた男を突き飛ばして。



「あっ…」
「いってーな!真央(まお)!!そんなところにいるなよ、危ないだろ!!」



飛ばされた拍子に、真央と呼ばれた男が手に持っていた書類がばらけてしまう。
それを慌てて拾い集める真央。



「ご、ごめん…」
「だから真央はダメなんだ!」
「ホ、本当にごめんね、唯くん…」
「なぁなぁ永輝!永輝も真央なんかと一緒にいないでこっちに…」
「…ざ…」
「!!なんだ?!永輝、やっとしゃべってくれたな!俺になんて言いたいんだ?!」



唯に腕を掴まれた永輝は、唯をそのままに真央の側にしゃがみ書類を拾い出した。



「…んで…、なんでだよ永輝!!俺のこと、シカトすんなよな!!」



無視されたことに腹を立てた唯は永輝の前に回ろうと動いたが、ちょうど書類を拾っていた真央の手を踏んでしまう。



「い、いたっ」
「真央!邪魔だってば!!こけるところだっただろ?!」
「ごめ、ごめんなさい」
「そもそも真央がしっかりしてないから永輝が俺と話せないんだ!真央、出てけよ!」
「…ぜぇって………だろ…」
「永輝、永輝もそう思うよな?!」



永輝が話し出したのがよほど嬉しかったのか、花が綻ぶように笑った唯。
の顔を思いっきり掴む永輝、ことこの俺。



「え、永輝…?」
「永輝!何すんだよ!!」
「書記!てめぇ何してんだ!!」



きゃんきゃんうるさい害虫どもをシカトして握力を強めていけば、カエルの潰れたような声がした。



「うぜぇんだよテメェら。特にお前、何様?唯様ってか?キモいうざい居なくなればいいのに。だいたい誰に出てけとか言ってんの?真央は害虫どもがやらねぇ仕事代わりにやってくれてんだろうが。てめぇが出てけ。俺の前に顔見せんな」



いきなり話し出した俺に驚いたのか全員がこちらを凝視してくる。
ホント潰してやろうか。真央以外。
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