ぉりじ

□道化師は誰?
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「な、何言って…」
「真央に非があるような言い方ばっかしやがって。本当にダメなやつは誰だよ?お前だろ。ああ、後仕事もしねぇ落ちこぼれの害虫共もか」



だんだんこいつの顔を見ているのも苛立つだけになってきた。
もっと言いたいことはあるが、これ以上言って真央に怯えられるのも考えもんだしな。
手を払ってクズを突き飛ばす。
ぽかんとした顔で俺を見ている真央に微笑みかけて、その体を抱え上げる。



「わ、わぁ?!」
「真央。今日の仕事はおしまいにして、いつもみたく部屋で膝枕して?」
「え、え、永輝さん?!」
「ん?なーに、真央」
「な、なんだかキャラが…」
「こんな俺は嫌い?」



顔を近づけて首を傾げる。眉を下げて寂しそうな顔をすれば、真央が拒絶するはずがない。



「う、す…好き、です」
「俺も、真央大好き」
「ちょ、ちょっと待てよ!!」



真っ赤に染まった真央の頬に口づけたときに聞こえた雑音に目を向ければクズにまとわりついている害虫共がいた。



「お前、唯になんてことしてんだ!!」
「ちょーっと許せないよねぇ」
「「書記のくせに生意気ー!!」」
「それに害虫とは、よくそんなこと言えますね?貴方の家を潰してもいいんですよ?」



ああ、もう本当にめんどくせぇな。早く真央と二人きりになりたい。



「永輝!!皆にひどいこと言うのやめろよ!俺が皆と一緒にいたのが嫌だったんだよな?」



もう何を言っても仕方ないだろう。真央がおろおろとしているが気にしてやらない。
真央を傷つけた代償は払ってもらう。



「おいゴミ共。明日からは生徒会室出入り禁止だ。お前らのリコールが成立した」
「何?!」
「いつの間に…!!聞いてないぞ!!」
「ほぼ全校生徒の署名と学長の印鑑はある。書類上には成立しているぞ。今日中に荷物を片付けろ、明日からは新生徒会の成立だ。よかったなぁ?もうお前らが嫌っていた親衛隊もいないぜ?」



茫然としている奴らに向かって笑ってやる。



「お前らの家にも、お前らがしてきたこと報告してあるしなぁ。ああ、そうそう、ここの映像もほとんど送られてるから…まぁ、仕事のできない後継者なんて、いらねぇよなぁ。良かったな、これで解放されるぜ?いろんなもんから」



馬鹿な奴らだ。少し考えれば、わかることだろうよ。



「それからクズ。お前、転校らしいぜ?元の学校に」
「?!…う、嘘だ!あんな、あんなところっ…!!」
「いいじゃねぇか。お前を愛してくれる奴ばかりだろ?さ、早く部外者は出てけよ」



デカい扉を閉じて、真央と顔を合わせる。



「こ、これで良かったのかな…」
「もう、真央が傷つく必要はないんだよ?」
「…うん、ありがとうございます永輝さん」



寂しそうに笑う真央に口づけて部屋へと向かう。
やっと明日から、平和に生活できるだろ。



「ゲームセット、案外早かったかな…」
「?」
「だ、大好き、です」
「俺も」




道化師は誰?
(どんなキミだって愛しちゃってるし)
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