恐怖、ときどき恋

□どきどきっ!
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「浅木様がなんかしたわけ?」

「つーか年下なのに様付けかよ」

「え、だってカッケーじゃん?タッパあるしガタイいいし美形だし?じゃなくて、話そらすなよ」

「……なんか付き合え言われた」

「は?!」
「え?!」

「放課後迎えにくるってよ。ああマジヤダマジ怖ぇよ。どうすんの?!」

「あ、そゆこと。うわ、ビビったー」

「何?つか、どこ連れてかれるんだ俺は。何かアジト的なところに連れられて集団リンチか?!うわぁぁあん!!無理!!逃げる!俺もう帰る!」

「拓実、落ち着いてください。大丈夫ですよ」

「ぅわーん…光ぃ」

「拓実キモっ!」

「黙れヘアピン!」



人がせっかく光のマイナスイオンで癒されてたと言うのに!

それにしても…ホント帰っちゃダメですか。
あれ、なんか"逃げんなよ"とか言われたっけか…

ふ、ふはははは!
くっ、男柳本拓実!
腹括……れねーから!無理だから!チキンナメんな!



「そうか、分かったからこの問題解いてみろ」

「分かったんならいいん…だ……。……すんませんわかりません」

「柳本、お前放課後居残り掃除な」

「んな殺生な!」

「自業自得だ」



てゆーかいつの間に授業始まってたよ…
光も大樹も教えてくれていいんじゃね?
つーかさ、



「なんでこの学校はノーチャイム制なんすか、先生!」

「文句は北校舎一階角の部屋なー」



チキンな俺に校長室に乗り込めと?!



「たっくん行ってらっしゃーい」

「行かないから!たっくん言うな!」

「柳本、次喋ったら課題追加」



……NO!!
くっそ大樹のせいだ。
あ、放課後…
……ヤバイ気がするよオカーサーン!!



どんだけ願っても時は止まらず、無情にも放課後はやってきてしまうのだった。
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