恐怖、ときどき恋

□どきどきっ!
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クラスが一体化するという行事マジック。
そんな体育祭の熱も過ぎた数週間後、期末と言う名の壁にぶち当たるのだ。



「ってやってられっか暑いんじゃ!」

「大樹大樹、キャラが違うぞ」

「長期休載による変化かなー…」

「そんな裏事情を暴露すんな」

「そんなことよりたっくん!」

「何だよ?」



今までの変な御託を丸っと無視して高井が身を乗り出してきた。
ちなみに今は自習中であり、俺の前には手付かずのプリントが置いてある。テスト範囲であることは間違いないが、いかんせん暑い。頭は働かない。



「この間の体育祭から、浅木様となんか進展ないわけ?」



……もう一回言っておこう、暑さで頭は働かない。
キラキラと目を輝かせながら此方を窺う高井を無視して、下敷きで思いっきり自分を扇いだ。
正直これって疲れるだけだと思うのは俺だけか。



「あっつい…」

「ちょっと聞いてるー?あの女の子ともどうなってるのか気になるし!」



どうもこうもないのだよ。
と、言ってやりたい。
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