恐怖、ときどき恋

□どきどきっ!
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勇気の家に行ってから数日が経った。
あの後から俺は極力勇気を避けている。そりゃもう力一杯避けている…はずなんだ!!
なのに、なのに何故お前はまた俺の目の前にいるんだよ!!



「なあ、いい加減照れてんなよ」



照れてねぇぇぇえええ!!!!
とは言えない悲しきかな俺のアホ!



「あの…さ、少しいいか?」



俺は勇気の手を掴んでズンズンと歩く。今からする話はここ…教室の前じゃしにくいからな。
いろんな人が俺たちを驚愕の目で見てくるが今はそんな事を気にしてる場合じゃない、はずだ。
人気のない空き教室を見つけて入り、勇気に向き合う。



「思うんだけど」

「なぁ、こんな所に連れてきたって事は…いいよなぁ?」

「は?!」



何故だか勇気が迫って来ている。
待て待て待てぇい!俺の話を聞いてくれ!



「勇気、待て!」

「っ…ちっ、なんだよ」



後ろは壁、左右は勇気の腕に囲まれて逃げ場がない。あれ、なんとなくデジャブ…いや気のせいか?
とりあえず待ってくれるようなので体制を直した。そうだ、言いたい事があるんだって。



「あのさ、俺の事を構うのは…そのー、占い?みたいな感じで運命とか出ちゃったからなんだろうけど…占いとかで左右されんのはどうかと思う…よ…」



尻窄みになってしまったのは仕方がないと思わないか。
だって目の前に般若がいるんだよ!!



「えーっと…あの…勇気…様…」

「ざけんなよ…」



般若な顔が一瞬泣きそうに歪んだ。
初めて見た顔すぎて驚いてしまう。



「ゆ…き…」

「あいつの占術は外れた事ねぇし、俺の運命の奴はお前以外認めねぇ」



項垂れるように俺の肩に顔を埋める勇気、ぎゅうぎゅうと抱き締められた身体が痛い。
でもなんか、そんな勇気が可愛い…とか言ったら俺の命はなくなるんだろうけども、そう思わずにはいられなかった。
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