白いキャンバスに描く

□染まる、君色
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「ど、どうしよう……」



突然だけど、僕、焦ってます。

朝、10時に起床。この時間だと食堂はもう閉まってる。
休日は昼食はないから、夜まで食堂は開かない。
いつもの事だから対して気にしないで携帯を覗くと、良平くんからメールが来ていた。
すぐに返事が出来なかったことに落胆しながら開いてみると…


From:滝川 良平
Sub :Re:
―――――――――

日曜
どっか行こ



嬉しくて思わず泣きそうになってしまったのは秘密だ。
急いで了解の返事をして、明日、出掛ける事になったのはいいんだけど…



「な、何着ていけばいいのかな…」



頼りにしたい林太郎は既にいない。
僕が持ってる服なんてたかが知れてる。
制服でもカッコいい良平くんの隣にいる為には少しでもおしゃれした方がいいと思うんだけど、あいにく僕にはおしゃれと言うものに興味がなかった。
だから僕は、今非常に困っています。



「…どうしよう…、…かなちゃん達、お仕事、かなぁ…?」



仕事じゃなくても何か予定があるかもしれないし…、でも、今の僕にはかなちゃんとひーちゃんぐらいしか頼る人がいない…
…電話してみよう。



『――――もしもし?』
「あ、か、かなちゃん?」
『満ー?どうしたのよ?』
「いま、お仕事中?」
『今日はお休み!!久しぶりに休日休みなの』
「あ、そ、そうなんだ…」



せ、せっかくのお休みに僕が我が儘言っていいのかな…
やっぱり、いつも通りで行くしか――……



『で、何があったんだ?』
「ひーちゃん…?」
『ああ、あたしも休みなんだ。で?満、何かあったから電話してきたんだろ?』
「…うん…でも、二人ともせっかくのお休みなのに…」
『なーに言ってんだ。満は黙ってあたしらに甘えればいいのさ!』
『そうそう!』
「う…ありがと…、あのね…」


優しい二人に僕は甘えてしまい、相談する事にした。


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