まぜまぜ

□強く抱きしめた君に誓う
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マフィアである以上、いつかは人を傷つけ陥れ、最悪の場合には人を殺める

慣れろ

オレはそう言う

苦笑した後、頷き、一人涙を流すことを知っている
誰か、自分を狙う敵である奴の命を奪う事でさえも躊躇し、涙を流す


それはなんだ


命を奪った事に対しての謝罪か
自分の手を汚した悲しさか
人を殺めた罪悪感か



例え読心術ができても、その理由だけは読み取れない



何にせよ


アイツは、綺麗すぎた



人を殺しその手を血に染めようとも



けして汚れる事のない魂



けれど静かに堕ちていく心



犯されない領域



ツナ



お前はまた一人で泣くのか



「おい」

「っリボ……」

「また泣いてんのか」

「泣いてなっ……くっ」


馬鹿ツナ

呟きツナを抱き寄せる
いつの間にか越した背、広くなった胸にツナを閉じ込める事などたやすかった



「リボーン、っダメなんだ。俺っ」

「……ああ」



ここまでマフィアの似合わない男が、ボスになることなど歴史を見てもありえなかった事だろう
だけどコイツ以外、ボンゴレをまとめられる奴なんかいねぇから
この世界から、逃してやることもできねぇけど



オレが側にいるかぎり


お前が涙を流さぬように

オレが代わりになってみせる










(静かに、お前が染まらぬように)

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