その手が掴むもの…
□第1話
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「世界だーー!」
こんにちは、こんばんわ、おはようございます!
本日世界への第一歩を踏みだしたユキでございます!俺は今、ハンター試験の会場に行くための船に乗っています
「海だ…広いな…」
潮風が髪を撫ぜては通り過ぎていく、この感覚が何とも言えない
「っにしても…」
周りを見渡せば男、男、男…男ばっかりのうえに同い年がいないとなると少しばかり気分が萎えてしまう。
「おい嬢ちゃん」
話しかけてきたのは大柄な男、参加者のようだが目つきが気持ち悪い…
「なにか?」
「ここは嬢ちゃんみたいなちっこいガキが来るところじゃないんだよ」
男はそう言えば俺の肩を強く押した、少しよろける程度で済んだが周りにいる他の参加者たちはニヤニヤと笑っている、実に不快だ
「だから何か?」
「はぁ…?」
「だーかーらー…何の用なんだって聞いてんだよ!」
いきなりしゃがみ込めば男の足を引っかけながらまわる。するとあーら不思議、俺の何倍もある大男が魔法にかかったように倒れるじゃあーりませんか!
「ごっめんなさーい、つい、足が滑ってしまって…お怪我はありませんか?ロリコンさん?」
自分でも分かるくらい嫌味ったらしく聞けば男は闘牛の如く起き上がり突っ込んできた。
「このガキャー!」
うぉ!?こいつさりげなくメリケンサック的な物つけてる!野蛮にも程があんだろ!?
「死ねーー!!」
「やーだね」
少し体を避けさせ足をチョイッと引っかければ男は重力に従って地面に伏せた。
「お前が死ね、ハゲ」
「ふんっ」と周りの奴らを一喝しその場を離れれば隅の方に綺麗な金が見えた。