声を届けて
□第1話
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トキオシティ、ミソラタウン
此処が私の住んでいる街だ。
「やばい、遅れる!!」
約束の時間に遅れそうになり全力でスケボーお転がしているこの私、真白ユキノ
向かう先はミソラ商店街に店を出しているキタジマ模型店。
「お、あれは…」
信号待ちで焦っているように足踏みをする茶髪のふわふわした髪を持つ少年、山野バン、私のLBX友達だ。
「バン」
「んっ、ユキノ!」
「遅れないように頑張ってー」
信号が青になった瞬間、バンにヒラヒラと手を振り颯爽と駆け抜けた、後で怒られるだろうがそんなのは気にしたら負けだ
「こんにちは!」
「遅いわよ、ユキノ」
「何してたんだよ」
キタジマ模型店に入ると出迎えてくれたのは薄い紫色の髪を持つ女の子、川村アミとドレッドヘアを後ろで束ねている少年、青島カズヤだった.
「いやぁ、何って言われると夢の世界にゴーしてたというか…」
「つまり寝坊ね」
「はい、すみません」
あまりにもバッサリと切り捨てられてしまった為謝るしかなくなってしまった。
「まったく…」
「遅れてごめん!さぁ、やろうぜ!!」
元気よく入ってきたバンを見て思わず全員で苦笑いを浮かべてしまった。
「バン、遅いよ」
「ホントだよ、まったく」
「お前が言えんのかよ」
カズにペチッと頭を叩かれた、カズのくせに人の頭叩きやがって…
「ごめん、ごめん、Lマガの今週号が出てたからさ…本屋に寄ってきたんだ」
「おぉ、そういえば今日だった」
バンから借りて読み始めれば自分で買えよ、というツッコミがカズから入った。
そんな感じで談笑していれば奥からキタジマの店長と素晴らしいボディをしていらっしゃる店長の奥さんの沙希さんが出て来た。
「バン、ユキノ、いらっしゃい」
「今日は遅かったな」
「こんにちは」
ペコッと小さく頭を下げ軽く挨拶をした、でも私の目に映っているものは店長が手に持っている箱だった。
「バン、アミ、カズ、ユキノ、面白れぇ物が有るぜ」
その言葉を聞いてすぐに店長に駆け寄った。
「見ろ、今日入荷した新型だ」
「新型!」
「アキレスか…」
カズが先陣をきって箱を開けた
中に入っていたのは白いアーマーフレーム
「カッコイイ!!」
「ユキノ、目がキラキラしてる…」
「でも、アーマーフレームのみのパッケージか」
「コアスケルトンがないと使えないな…」
皆の話そっちのけでアキレスを見ていたが少しだけ他のLBXには感じないものがアキレスにはあった。
「…」
「…つまり、超レア物ってこと!?スッゲー!!」
「え、何が何が!?」
ボーッとしてて皆の話を聞くのを忘れてた…
なんでも新作の筈なのだが今週のLマガに載っていないようでバンのテンションが上がったらしい。
「なるほど、こんなものを手に入れるなんて店長やるねぇ」
「ま、まぁな」
ハハハッと豪快に笑う店長、おだてただけなのに…
「にしてもバンの家はLBX反対だしそれ以前にバンのお財布事情じゃ…」
「そうなんだよな…でも絶対に手に入れてやる!!」
「張り切るのは勝手だけど、今日はやんないの?」
私が指指したのは店の中心にあるDキューブ、LBXの勝負の舞台だ。
「カズ君がやられたいって待ってるよー」
「ユキノ勘違いされるような発言すんな!」
聞こえない、私は何も聞いていない、カズがMなのは既に公式設定である。
「今失礼なこと考えただろ」
「なんのことだか分からないよ、ねぇ、アミ」
アミに話しを振れば返事の変わりに苦笑いが返ってきた。