10/17の日記
14:37
小ネター
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「ーーあいつはいるか?」
「あら、ケイロン様……どうされました?」
最近解放したギリシャの神、ケイロンが少女のもとを訪ねてきた。
少女が助力を請うために彼のもとを訪れることはあれど、彼が少女のところへくることはほとんどない。そのこともあって、少女は頭の上に疑問符を飛ばした。
「先日のゴルゴンリーダー討伐の結果は……確かお伝えしました、よね?」
「ああ」
では何だろう。
ケイロンは間違ってもお喋りな方ではない。余計なことは言わないので、心意を汲み取るのがたまに難しい。
「新しい訓練だ。ギリシャ平原のガルムはわかるな」
「魔神なら一通りは存じております」
「ならば、それを五体だ。終わるまで帰ってくるなよ」
普通なら、理不尽だと怒るところなのかもしれないが、少女は笑って引き受ける。自分を試し鍛えるためだとわかっているからだ。
「はい、ガルム五体ですね。確かに」
首肯と確認、それだけを示した少女に、ケイロンは密かに目を細める。彼女は気づいていないようだが、その守護神はそれを見咎めたらしい。
「あまりこいつをいじめないでくれ。しわ寄せがこっちにくる」
「あら、タナトス様」
顕現したタナトスに、少女は声をかける。……しわ寄せが何なのかはとりあえず訊かずにおこう。
「タナトス様、ガルムを五体狩に行くので、薬草の在庫を確認するまでしばしお待ちください」
「薬草は便利だが、使い過ぎれば死ぬから気をつけろ」
「え」
一瞬固まった少女は、次いでタナトスに視線を移す。無言で頷かれた。
「まあ安心しろ。あまり一気に無理に使えばの話だ」
「……心の臓に悪いです」
☆コメント☆
[任那渡海] 10-31 20:33 削除
ご無沙汰しております☆新作拝見しに参りました。主さん本当に皆様に愛されてますね。一見淡々として感情を見せてないふうですが、一途で一生懸命だから誰もが信頼して、率先して守護神になろうとするのかな。タナトス様みたいな死の神など、それは過剰に心配しちゃいますね。ドンマイです。小春〜も楽しみにしてます!
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