long dream2

□へいへいへい!
1ページ/3ページ

―あき、この間の埋め合わせさせて

―はい、じろさんが暇な時いつでも連絡ください!

メールの返信をしていると後ろで騒ぎ声が聞こえてきた。

『どんなトークだろう!』

『緊張する!』

韓国語で話す5人は皆にこにこしていて、先ほど受けた良い報せからずっとこの調子だ。

出来上がった料理をテーブルに持っていく。この日はジュンススペシャルの出し巻きキムチ納豆だ。

「みなさん本当に嬉しそうですね」

一瞬が気がそれたジュンスが目の前の出し巻き卵を見て声にならない声で喜んだ。

「あったりまえ!」

スプーンを握ったジェジュンがそれを高く上げた。

「そうですよね、私もとっても嬉しいです」

最後のおかずを置いて着席し、食事が始まる。

彼らが何をこんなに喜んでいるのかというと、有名な音楽番組への出演が決まったのだ。

時々トークの練習をしている姿が微笑ましい。

「あきはへいへいへいに、みる?」

ユノに聞かれ頷く。

「司会の2人は関西の人だから、言葉が少し難しいかもしれないですね」

「かんさいべんすきー!」

前向きなジェジュンがスプーンを振る。

「松ちゃんがいつも鋭いツッコミを受けててですね、その間が…」

「ちゅこみ?」

「まちゃん?」

「そのま?」

いけない、クエスチョンマークをたくさん浮かべさせてしまった。

「えっと、髪の毛が少ない人が、いつも頭を叩かれて、すごいんです」

「あたまをたたかれて!?」

ジュンスがジェスチャーをする。

「いや、それは日本のお笑いで…」

「かっわいそー!!」

「あたまわるいなる?」

「なんで!いたいことするの!」

「あの、いや…」

ダウンタウンのお二人、ごめんなさい。


ご飯が終わって今日はジュンスがお皿洗いを手伝ってくれた。最近5人だけの時も毎回じゃんけんに負けているそうだ。

「今日は私がやりますよ」

「いい。あきとはなすが、たのしですよ」

「ふふふ。ジュンススペシャルはどうでした?」

「おいしい!さいこ!だはは」

「よかった!今日は本当におめでとうございます」

シンクに流れるお湯が湯気を出す中、ジュンスがこう言った。

「あき、おいれ、れおい、ん?いれい」

「お礼?」

「おぅ、おれい!おれいで、ジュンスらめんつくりますよ!」

ジュンスが言うに、得意料理はラーメンだそうで。前にチャンミンがジュンスの作ったラーメンはスープを半分こぼして薄くなった上に麺が延びてて不味かったと言っていたのを思い出す。

「ジュンスさん私もお祝いしたいですから、それより、おいしいラーメンを食べませんか?」

「え!」

ジュンスの顔がぱっと明るくなる。

「東京タワーが見えるラーメン屋さんを見つけたんです」

「とうきょたわー!?ジュンスそれがい!」

「決まりですね」

2人でラーメンの約束をして、その日は家に帰った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ