long dream2
□スペシャル料理
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お休みを終えて皆が日本に帰ってきた。
そして今日、久しぶりにテーブルの上にメモがあった。
【ちんすこ〜!!GOGO〜!】
ふっと笑みが零れる。
うちのお隣さんが沖縄に行ったらしく、お土産にちんすこうを買ってきてくれたので彼らの分も置いておいたのだ。
この字はジュンスかな?丸っこい字が嬉しそうに踊っている。
冷蔵庫に食材を詰めていると、電話が鳴った。
―もしもしあき?
それはじろさんだった。
「じろさん、面接終わったんですか?」
じろさんは現在就職活動真っ最中だ。今日は大手金融企業の一次面接があるそうだ。
―今終わったとこ。緊張した。
「お疲れ様!」
―あき、月末にシーに行こうって言ってたよね。
「うん、行けます?」
きっと面接とかで忙しいんだろうな。
―チケット、取ってきたよ。
「じろさん!!」
実は、その日の通常営業後彼らがクラブナイトというイベントに出演するのだ。
本当はじろさんと彼らの活動を別にしたかったのだけど、たまたまじろさんに提案されたのだ。
―寒いから暖かい格好して来るんだよ。
「はい!」
その後少し話をしてから電話を切った。
シーでデートなんて、夢みたい!
キャラメルポップコーンを買って一緒に食べたり、乗り物の最後で写真を撮られて変な顔って笑ったり、きっと楽しい。
るんるん気分で掃除機を引っ張り出してくるともう一度電話が鳴った。
―ぼくチャンミンです
「お仕事終わったの?」
―まだある、きょうのごはんはなんですか
「今日は肉じゃがユチョンスペシャルだよ」
―チャンミンスペシャルは、ないか?
「何が食べたいの?」
笑って尋ねたら、チャンミンも笑った。
―あー、あきとはなしてると、おなかすきますねー
「私=食べ物?」
―じゃ、あとで
ぷつりと電話は切られた。
さて、チャンミンスペシャルは何にしようか。