□眠りに落ちたお姉ちゃん
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「ん、」

微かな寝息。霰は階段を上がり切る前に眠ってしまったらしい。

「緑川、マックス」
「んだよ!」
「喧嘩すんのは止めんしゃい。霰が起きるたい」

そう言うと、二人は口をつぐんで俺の隣を歩いた。ふと正面から騒がしい足音がやって来た。
予想通り、それはパジャマ姿の金ちゃんだった。

「あ、千歳や!」
「金ちゃん、しー」
「? 霰ねぇちゃん寝とんの?」
「そげたい。」

金ちゃんは両手で口を塞ぐ。なるほど、賢いやり方ばい。
霰の部屋まで来ると、緑川がドアを開けてくれた。礼を言い、霰をベットに寝かせる。

「可愛い」
「ああ、むぞらしか」

マックスが霰の頭を撫でていると、金ちゃんがベットの向こうの方から布団に入ってきた。

「…金ちゃん、何しとっと?」
「今日霰ねぇちゃんと一緒に寝る約束したんや」
「二つ下って便利だな…」

緑川の言葉に同意したい。同意したい!


眠りに落ちたお姉ちゃん
(といってもこの合宿三年生ばっかだけどね)
(マックス、しー)

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