君と見る夢の中は
□僅かな休息
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走り出したのは確かな事があったから。
霰ねぇが倒れた。焦る雷門のメンツを宥めながら、僕は至急うちの車を呼び、彼女を家に連れて行った。ベッドに寝かせたのを確認した後、大急ぎで練習試合の会場、氷帝に向かうと、すでに終わっていた。
「やっと帰ってきやがったか、お前は。」
跡部が仁王立ちし待っていてくれた。
「…ただいま」
「お帰り、焔。」
ニコッと笑えば、偉そうに跡部は笑った。
「焔ちゃん、雷門どないやったん?」
「あ、俺も聞きたい!」
「俺もだ!」
「僕も聞きたいC〜」
「ウス。」
「僕も聞いてみたいです、先輩。」
「ハイハイ、喋るからさっさと着替えてくるように!」
すでに着替え終えている跡部以外を更衣室に押し込んだ。すると後ろから頭をポカッとチョップされた。
「いたっ…はい?」
「バーカ、何1人で暴走してやがる。」
「さ、サーセンっした。」
「木刀持ち出したりして、警察沙汰にはならなかったがな、…我慢するな。」
「…うん。」
その後、雷門の事を色々聞かれたのは言うまでもない。
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