君と見る夢の中は

□苦い痛みと勝利のホイッスル
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「帝国と練習試合!?!!」
「ああっ、だからさ、練習しようぜ!」

ボールを持って嬉々とするキャプテン。
何でも夏未が練習試合をセッティングしたそうだ。ついでにいえば負ければ廃部。

「そうは言うけど部員足りねぇじゃねぇか」
「だから残り三人を集めるんだよ!」
「あ、僕試合出れないよ」

霰が告げると、円堂と一年が信じられないというような顔をした。

「なんででやんすか?!」
「先輩はうちの戦力なのに!!」
「馬鹿だろお前ら」
「女子は一応試合には出れないんだぬーん」

そう言うと、皆納得したようにうなだれる。本当に気付かなかったのだろうか?

「それにその日はちょうど妹(がマネージャーを勤めるテニス部)の試合見に行くからどっちみち無理」
「「妹!?!!」」
「うん、妹。言ってなかったっけ」

むしゃむしゃとクッキーフレーバーを食べながら言う。
驚いた顔の彼らを横目で見ながら、ボールを持って外へ向かった。





今日は晴天。最近ジャージばっかだったからなんだか久しぶりの私服。
氷帝の試合があるコートに向かってるなぅ。

「ね、あいつ…」
「ホント意味わかんない…」

そしてなんだかオンナノコのまがまがしいというか憎らしさというか恐ろしい視線が突き刺さってる。

「ちょっと」
「…?」

何カ用デショウカ氷帝ノ制服ヲ来タオ姉サン。

「氷帝の正レギュラーのマネージャーだからって調子乗ってんじゃないわよ!!」

空き缶を投げられて突き飛ばされる。
なんで?なんで?ねぇ、ナンデ…?



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