君と見る夢の中は

□波乱の予感!
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「焔、パソコンを明け渡してもらおうか」
「だが断る」
「断るな」
「何すんの?」

セミロングの少女が、ポニーテールの少女を足蹴にする。その二人の顔は、瓜二つ。

「大学調べなきゃなんないんだよ
あの担任様面倒臭い」

メガネをかけたセミロングの少女は、不知火霰。

「ハハハ、頑張れ〜」

ポニーテールの少女は、不知火焔。

その二人は、世間一般に言われる一卵性双生児というものだった。

「あ、何これイケメン」
「いいでしょ♪
ぴ●しぶで拾ってきた」
「氷帝に…A4に…星月学園生徒会
よっしそこに雷門イレブン付け足そうか」
「好きだね、霰も」
「まぁね♪」

さすが双子というべきか、趣味も似通っていた。そしてこれは、そんな二人だからこそ起こったのかもしれない。

「あ〜、マジ液晶どいて」
「同意」

焔は手を伸ばし、パソコンのイラストに触ろうとする。
そして、彼女は動きを止める。

「Σ!」
「どうした?」
「液晶が…どいてくれた

妹のイタい発言に、霰はジト目で焔を見る。

「ぬいぬい達に触れないけど本当だって!」
「はいはい」

疑心暗鬼に、霰もパソコンに手を伸ばす。
その手は、

「Σ!」
「でしょ?!」

パソコンの液晶をすり抜けた。
二人は目を合わせ、頷き合い、画面の中へ入っていった。



まばゆい光が双子を包み、咄嗟に目をつむる。
それが晴れた頃に目を開けると、なんら変わった様子のない家の自室。しかし、双子の体は中学入学前くらいの頃まで縮んでいた。
そして壁にかけられているのは、

「雷門中の…」
「氷帝の…」

決して交わることのない二つの世界に存在する中学校の女子制服だった。


波乱の予感!
(どうやら二人は、
面白い世界に迷い込んだようでした)

 

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