□刹那のキオクに映る秘密
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霰ねぇを流石に起こすのもちょっと気が引けたけど、起こしてしまったし仕方ない。

やることがいっぱい有りすぎて何だか目が回りそうだ。

「ふぅ…」

ちょっと休憩、と食堂というかダイニングで机に顔を伏せる。どうしてこんなにも眠れないのか。

「お疲れやね焔ちゃん?」
「蔵…?」

いつの間にか蔵が居て、隣に座っていた。

「お疲れさん。」
「ん、」

頭を撫でられる。ああ何だか心地いい。

「マッサージ、したろか?」
「ん?うん。」

ちょうどダイニングに入るドアから死角のソファに座らされられる。

「痛いかもしれへんけど我慢しぃや?」
「うん。」






宍戸とユウジはダイニングのドアの前で立ち往生していた。

「…なぁ、」
「この声、なんなんやろ…?」

スポドリを取りに来たのだが、入れない。それは先ほどから中から聞こえてくる声。

『んっ、あぁっ…いた、ぃっ…!!』
『我慢しぃ、や?』
『いたぃってばぁっ…!!』

等と聞こえてくるのだ。

先ほど霰が寝たのは2人は目撃しているわけだし、サッカー部の女子達はキャッキャしながら別の部屋で女子会(?)をしていたし、残る女子と言えば焔しか居ない訳で、その焔の色めかしい声とソレを苛めるかの様な男の声。…多分白石の声だろう。

「ほ、ホンマにや、やややっ!!?」
「いやソレはない、だろ…!!」

小声ながらも2人はパニック状態。

「…何、やってるんだ?」
「「…!!!!?」」

いきなり声がして振り返ると、お風呂上がりの風丸を筆頭に、ヒロト、豪炎寺、鬼道、吹雪がいた。

「君たちも飲み物貰いにきたの?僕たちもなんだ。」
「ああ、おん、せや、ねんけどな…?」
「入れねぇっつーかよ、」

吹雪が言うとキョトンとした全員。とりあえず2人はドアを指さし、耳を当てさせた。

『く、らっホント、無理ッ…!!』
『痛くあらへんとあかんやろ?焔ちゃん、我慢しぃ?』

また聞こえて、焔と言う単語に軽くサッカー部メンツは殺気立つ。

「な、なんだ…!!?」
「…焔と、白石が…?」
「…そもそも恋人、同士なのか…?」
「どっちにしろ確かめなくちゃいけないね?」

頬を赤く染める風丸、鬼道に豪炎寺。ニッコリ黒い笑顔を見せるヒロトに全員の意見は合致する。

全員はドアノブに手をかけた。


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