Please marry!
□左手、薬指
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仁王×焔の番外編
ここはホテルのバー。そこにブン太と一緒にいた。
今日は近くの教会で焔と仁王…もとい義弟の結婚式が行われたから。
「すみません、アルコール度数が低くて甘いカクテル下さい」
「俺もそれで」
「かしこまりました」
バーテンダーがカクテルを作るのを眺めながら、今日の式について話す。
「焔、綺麗だったなぁ」
「ああ、仁王も嬉しそうだったな」
「ドレスも似合ってたし 流石私、天才的ぃ」
「確かに似合ってたな」
「お待たせいたしました」
「ありがとうございます」
カクテルをちびちび呑みながらふと、呟いた。
「私も結婚しなきゃなぁ…、出産適正年齢過ぎちゃう」
小さい頃から自然に、結婚して子供を産まなきゃとは思ってた。
でも、どうしても具体的なビジョンは思い浮かべなくて、ここまで来てしまった感じ。
「お前は案外物欲はなかったからな。いっつも『ほむらちゃん』『ほむらちゃん』だったし」
「離れ離れだったから…」
「そうだよなぁ」
「ね、ブン太、ブン太は結婚しないの?」
あ、カクテルなくなっちゃった…
新しいのを頼んで、ブン太を見る。と、ブン太は真剣な顔をしていた。
その顔に、ドキッとする。
「(かっこいい…//)」
「霰」
「…ん?」
「俺と結婚してくれ」
ブン太がスーツの内ポケットから取り出した、手の平サイズの指輪ケース。
「定番だけど、三ヶ月分の給料で買った指輪。お前がパーティーとかで付けてってるのより全然安いけど…」
「…僕で、いいの?」
「やっと素が出たな お前がいいんだよ」
「僕は、幸せになってもいいの?」
「ならなきゃいけねぇんだよ 霰は俺が嫌いなのかよぃ?」
「…ううん、好き。…異性と、して」
「! じゃあ…!」
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
左手、薬指
焔、お姉ちゃんも幸せになれそうです