□微笑みに見えたモノ
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「焔さん、本当に大丈夫なの?」
「ん?何が?」
「何がって…貴女は氷帝の…」
「夏未ちゃん、聞かないでおいてくれないかな?」
「…分かったわ」
「ありがとう、夏未ちゃん。」
「いいえ、」
「君が不知火君かい?」
「よろしくお願いします先生。」

心配そうな夏未ちゃんを後目に、担任に向かいニコリと笑えば、教室に連れて行ってもらう。そして廊下で待たされて僕は先生が呼ぶのを待った。

「転校生を紹介するぞ、入りなさい。」
「…はい」

ガラッとドアを開けて、入ると其処には見慣れた人の姿。

「焔!?!!」
「どうして此処に!!?」
「不知火焔です。名字と顔で分かるとは思いますが、不知火霰の妹です、よろしくお願いします。」

ニコリと笑いぺこっと頭を下げたら起きる疎らな拍手。

「風丸の横に行きなさい」
「はい。」

風丸君の横の空席に座れば、まだ状況を飲み込めていない5人がいた。

「よろしくね風丸君」
「え、あ、ああ、よろしくな?って…どうしたんだ?」
「別に特に何もないよ。」
「焔!よろしくな!」
「うん、守君よろしくね?」
「焔、なのか?」
「ん?そうだよ修也」
「何かあったのか?」
「やだなぁ、何もないよ鬼道君」
「同じクラスなんて嬉しいです、焔さん」
「冬花ちゃん!相変わらず可愛いね君は」

クラスメートにこんなに知り合いがいて、ましてや女の子の友達がいるなんて生まれて初めてだろう。
そんな事を考えていると、サッカー部の知っている子達は皆口々に何かあったのか?と心配してくれた。
元々言うつもりはないし、僕は笑顔で霰ねぇさえも受け流した。


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