□見上げた空はとても青くて
1ページ/4ページ




久しぶりに霰ねぇと再会して、なんだかとても安心して、少し霰ねぇの顔色の悪さが気になったけれど、自分も人のこと言ってられないのも現実だ。

自室に戻り、ベッドにダイブすると後ろから聞き慣れた足音。

「…お嬢様」
「…右京、申し訳ないけど1人にしてくれないかな。仕事、まだ有るんだ。」
「お嬢様、私は…何があっても、貴女様のお側にいます。私が遣えてるのは、お嬢様です。」
「…、出て行きなさい右京。」
「…嫌です。」
「……もう、ダメじゃないか。せっかく、諦めがついたのに。」
「…お嬢様…」
「…コレじゃまた、僕は弱くなる。」

布団から顔を上げられない。涙が溢れているのを感じる。シーツにシミがつくじゃないか。

「…霰お嬢様、からのお達しでございます。」
「…そう、…分かった。」

ゆっくりと起き上がり、右京を見た。その瞳は不安げに揺れていた。

「…また、よろしくね、右京。」

小さく笑えば、右京も笑ってくれた。ああ、なんだか暖かい。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ