Please marry!

□幸せは何時も
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それから会合が始まり、長ったらしいことを延々と続けて行く。

最近つくづく思うのだが、コイツ等は実地状況を知らないから、こんな事をいけしゃあしゃあと言えるのだろう。

「…では、あと何か質問は?」
「…なぜ、貴方が今回の指揮を取っていらっしゃるのかな?君はもう不知火性ではないだろう?豪炎寺イギリス、イタリア代表。」

良いか、言ってしまえ。もう耐えかねん。ごめん霰ねぇ、滝、左京。…あなた。

「…そうですが、今回は姉の名代として此処におります。姉は現在産休ですわ、あなた方が姉イビリをしているのは調べが着いておりますの。古株は古株らしゅう、余生を。」
ふざけるな!忌みの双子が!!

…あーあ、言っちゃったわ。まぁいいや。

「忌みの双子。…そうですか、私達は忌みの双子。変わらない現実ですわ」
「忌々しい双子の妹が!お前さえ居なければ、この財閥は安定しているはずだった!!」
「…」

受け入れる。全て。アタシは妹。あの人は姉。変えがたい事実。

「忌みの双子の妹の子も双子と聞く。異性の双子だとしてもロクに育たんのだろうな。」
「…!」
「旦那も今まで中学サッカー界を堕落させていった奴と聞く。養子に貰った白竜とか言うガキもロクな運命を辿らんだろうな、なぁ?豪炎寺社長」
「…けるな」
「は?」

アタシは机にバンッと叩いた。

ふざけるな!アタシは何を言われても構わない。しかし、我が夫や息子達を愚弄することは許さない!古株共が!」

心臓がバクバクとしている。息が苦しい。息が、できない。

ひゅーひゅーと息が薄くなっていく。

「…っ、あ…ふざけないで、ねぇ、アンタ達。アンタ達なんか何も知らない癖に!アンタ達なんか!」
「焔さん、抑えて下さい!」
「!…若、言わなきゃダメなの、この古株の分からず屋共には一発喰らわさないと…!じゃないと!じゃないとアタシの子供達が、夫が…!」

重役の若が、僕を支えてくれる。でも、僕はじたばたと暴れ、イヤだと駄々をこねた。泣きたくない、でも、涙が止まらない。大好きな旦那や、大好きな息子達。大好きな姉がこんなにも愚弄されている。

「…っ!!」
「社長、行きましょう」
「…、うん…」

高ぶっている僕の手を引き、会合を幕引きする滝。滝は僕に優しく上着をかけ、歩きだし、車に乗せられ実家へと向かった。


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