Please marry!

□幸せは何時も
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「焔義姉さん!」
「友香ちゃん、久しぶりだね」

それから3年後、アタシは3歳になる双子息子の時也と、娘の七海、養子になった白竜を連れて、日本に里帰りしていた。

「お久しぶりです!」
「うん、久しぶり。これお土産ね?」

最近イタリアで人気のブティックで買った化粧ポーチを渡せば、嬉しそうに笑ってくれた。

「わ、これ欲しかったの!ありがとうございます!」
「いえいえ、ほら時也、七海、挨拶は?」
「こ、こんにちは…」
「こんにちわ!ゆうかおねーちゃんっ!」

誰に似たのか知らないが、極度の人見知りで恥ずかしがり屋の双子の兄の息子 時也と、誰にあっても人懐っこい双子の妹の娘 七海に苦笑しながら、撫でると時也は白竜の元に駆け寄り、白竜に抱きついた。

「りゅーにぃちゃ…!」
「ほら、男の子だろ?時也」
「あぅぅ…」
「おいおい」

白竜は時也を抱き上げた。

「ふふっ、2人とも元気みたいだし、白竜君も会う度におっきく男らしいくなるね。で、ところで今日はお仕事ですか?」
「ええ、会合が本社であってね。姉の代理よ。ちょっと今、姉さん、出産前で体調が優れないみたいなの。って、この前滝と左京から連絡があってね。」
「なるほど、大変ですね〜…だからお兄ちゃんはいないのか、納得」
「ええ、まぁ1ヶ月くらい滞在するからその間に修也は来るって話だったけどね。」
「そうなんですか!会合中どうするんですか?子供達」
「チョタんとこの保育園に預けるつもり。白竜はあっちの高校も休みだし、天馬君とかんとこに行かせようかなって」
「なるほど。白竜君もサッカー好きだしね、お兄ちゃんもやっと焔姉さんと結ばれて良かったね」
「ええ、良かった。アタシ一旦、実家に戻るわ。ありがとう、友香ちゃん、仕事が片付いたら一緒に出かけましょう?」
「もちろん!」
「じゃあ、またね?ほら、時也、七海、バイバイは?」
「ば、バイバイ…ゆうか、おねーちゃ」
「バイバーイッ」

白竜もぺこりとお辞儀をし、七海とアタシは手を握り、白竜は時也を抱っこしたまま車に乗り込み、実家に戻った。

「焔姉さん」
「ん、何?白竜。」

車に揺られ時也に七海はスゥスゥと寝息をたてる。それを見計らってか白竜はアタシを心配そうに見た。

「本邸に戻って大丈夫なんですか?」
「…多分ね。今回、右京も尊も付いて来てないからね。お父様もお母様もいらっしゃらないだろうし。ただ姉さんが心配ね」
「無理、しないでくださいね?ただでさえ、最近眠って無いんですから」
「ええ、ありがとう白竜。」
「…俺が怒られるんですよ、修也兄さんに」
「はは、違いないわ」
「社長、到着しました。」
「ありがとう、時也、七海、起きなさい」
「んぅ…?」
「ふぁ…」
「ほら、2人の大好きな霰お姉さんと虎丸お兄さんがいるよ?」

2人を起こし、立たせれば2人は一目散に走り出して、アタシ達は後を追いかけるように歩き出した。


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