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□命のチカラ
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「そうだろう?」
「ふざけてんじゃねェ!」
ファイティングポーズからの強い蹴りが飛び牙山の脳天を直下させて、焔が牙山の手から離れた一瞬を見計らい、僕は焔を抱き留めた。
「俺の可愛い妹に手ェ出してんじゃねぇよドカスが!」
「霰、ねぇ…?」
「会いたかったよ、僕の可愛い焔。」
ギューッと抱きしめて、すり寄る。
「…うんっ…!」
「よく頑張ったね、でもまだやることがあるんでしょ?」
「うん、やってくるよ。霰ねぇ」
そうやって笑い合えば、僕らはまた1つになって通じる。
「いってらっしゃい、焔。気をつけて?」
「うんっ」
焔はニコリと笑い、僕の元から離れ、シュウと白竜を撫でたかと思えば走り出した。
命のチカラ
(大切な僕の妹、)
(良かったね、大切な物を)
(また1つ、見つけられた)