□シアワセの種
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「「ハッピーバースデー!あられ!!」」
「!!」

これは、数年前のお話…


シアワセの種


霰がブン太の家に行くと、クラッカーが襲った。そして冒頭の言葉。
昨日は、霰の12回目の誕生日だったのだ。

「ありがとうブン太、ジャッカル 昨日はごめんね、電話出れなくて」
「いーの!誕生日は家族に祝ってもらうのが1番だよな」
「ううん、1番はほむら」

霰の言葉に、二人は肩をすくめる。写真でしか会ったことのない彼女の妹の誕生日は、日付をまたぎ今日なのだ。
霰の目の下にうっすらクマがあるから、きっと頑張って日付が変わるまで起きていたのだろう。

「でもね、2番目はブン太とジャッカルだよ」
「「!!」」
「父様達がおっきなパーティー開いてくれるより、ブン太とジャッカルがこういうパーティー開いてくれる方が、僕は好き」

ニコニコと笑う霰に、ブン太はおもわず抱き着いた。

「あーもう!可愛いこと言うな馬鹿!」
「?」
「ブン太、パーティー始めようぜ」
「おうっ」

ブン太が霰の右手を、ジャッカルが左手を握り、リビングへと導く。
そこには決まってブン太お手製のケーキとジャッカルが作った輪飾り、ラッピングされたプレゼントがある。

「改めて、誕生日おめでとうあられ」
「あられ、 parab´ens pelo seu anivers´ario!
Espero que tenha um ano maravilhoso.」
「どういう意味?」
「『誕生日おめでとう、素敵な一年を過ごしてな』って意味だ」
「そっか…ありがとう、二人とも!」








「もしもし、ほむら?」
『聞こえてるよ、あられねぇ』
「さっきね、左京に頼んでプレゼント送ってもらったから楽しみにしててね」
『ありがとう!あたしもさっき送ってもらったとこ』
「そうなんだぁ あ、そうだ。ブン太とジャッカルがね、ほむらにもプレゼントあげてって頼まれたから一緒に入れといた」
『本当?ありがとうって伝えといて』
「うん、もちろん」
『誕生日おめでとう、あられねぇ』
「ほむらこそ誕生日おめでとう」
「『今年もよろしくね』」

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