君ノ瞳二恋シテル

□おれたちは
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なんだよ、
ここは別に否定すんなよな。
たしかにおれはあかねの彼氏じゃねーけどよ…

彼氏じゃないだなんて言ったら
コイツら期待すんだろ!?


乱馬のなかで
黒い感情が
むくむくと育っていく。



なんだよ、
へらへら笑いやがって!
やめろよ、
あかねと楽しそうにしやがって!



彼氏じゃねーよ
彼氏なんかじゃない。

おれはあかねの、
あかねはおれの…、





「許嫁だよ」



低い声が響くと
二人の男と一緒に
あかねまでも乱馬を見つめた。

「ら、乱馬?」

「おれたち、許嫁だから」




乱馬の黒い感情を
二人は読み取ったのだろう。

あ、はい、なるほど。
そう言うと

じゃあ!と手をあげて
一目散に乱馬とあかねから
離れて行った。



「乱馬、もしかして…やきもち!?」

あかねが乱馬をからかうと、先程までの恐い乱馬はもう居なかった。


「うるせぇ!!ほら、帰るぞ!!」

乱馬が夕日のせいじゃなく
赤くなっているのを
あかねは見逃さずに

なんだかくすぐったい気持ちに
優しく笑顔がこぼれる。


さっきまで、
三人娘に追いかけられてる乱馬に
やきもち妬いてたのは自分の方だったのに…。




あかねも乱馬も
夕日より早く
顔が赤く染まっていた。
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