君ノ瞳二歌エバ

□幸福論
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乱馬と私。


本当の幸せを考えた時には
愛し、愛されたいと思えて
なんだか、とても
くすぐったい気持ちになるけど

これが私の本心なんだと思う。


なかなか
素直で可愛いげのある
いい子にはなれないけど

乱馬の思い描く強さとか
乱馬の目指す格闘家を
そっと支えてあげたい。


こんな気持ちを
さらけ出せる日はいったい
いつになることだろう。


時の流れと空の色に
何も望まないように

私は
これまでも、これからも
喧嘩をして、仲直りして
ヤキモチを妬いて、仲直りして

素顔のままで
一緒に泣いて笑って怒って笑って

そんな乱馬の隣に
ちょこんと私の人生はあって


時折、優しい声で
あかねって名前を呼んでもらえたら


そこに
私は乱馬を求めて
乱馬も私を求めている真実があれば

私は幸せ。




この気持ちだけは
冷めないはずよ。



縁側で
タンクトップとトランスという
なんともだらしない姿で
ゴロンと寝転がる
乱馬の背中を見つめて

ふふん、となんだか
大きな気持ちになって頬が緩む。

ふいに乱馬が振り替えって
私を見たけれど
何も知らないはずの乱馬が
にっこりと笑ったから

なんだか悔しく
なってしまう。

素のままのあんたが
私の幸福だなんて。
何も考えてないくせに
私は幸福だなんて。


なんにも知らないくせに。

悔し紛れにそう言い放って
私は乱馬の隣に座った。

不思議そうに私を見る乱馬を
知らんぷりして
いつか、私の幸福論を証明してやろう!!
と心の中で企んだ。

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