嘘だと言ってよハニー
□Nice to meet you he said
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あの忌まわしい事故から数日後、博臣の両親から『博臣が目を覚ました』と、電話があった。
俺は急いで服に着替え、病院へと走った。
博臣が目を覚ましたのだ。
待ちに待ったこの日が訪れたのだ。
これ程嬉しい事はないだろう。
階段を駆け登り、周りの迷惑を考える暇も無く廊下を走った。
「博臣!!」
多少強引に教えられた病室のドアを開ければ。
「…………っ」
「……博臣!!」
多少驚いた目をした、包帯だらけの博臣が居た。
この前とは違う意味で泣きそうになった。
「……お前の両親から聞いて、急いで来た」
「………あ」
「………良かった!」
「無事で…良かった…!」
思わず安堵の息が漏れる。
生きたんだ。
博臣は生きたんだ。
博臣は戸惑うように辺りを見渡し、遠慮気味に口を開いた。
「あの…さ」
「何だ?」
「一つ…聞いていい?」
「ああ」
「君、名前は?」
は?