捧げ物

□海水浴なう
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純様へ捧げる相互記念小説です。

海に来た静臨です。














「シズちゃん!!早く早く!!」
「解ったつーの五月蝿ぇな……。」
「こっちだよーシズちゃん!!」


連日の真夏日で俺も臨也も疲れていたある日の事。


言い出しっぺは臨也で。


『ねぇシズちゃん一緒に海行かない?』


と、あろうことか天敵の俺を海に誘ってきたのだ。


しかし俺もこの暑さには参っていたらしく、簡単に「おぅ」と頷いてしまっていた。


…そうだこれは暑さのせいだ、断じて臨也に誘われたのが嬉しかったとかそーゆうんじゃねぇ。


断じてだ…。



「きれーな海だねー」
「……そうだな」
「俺、海初めて来る」
「そうなのか?」
「うん」


初めて来たなんて信じられなかった、でも本当なんだろう。


手前が真剣な目で言ってるんだからな。


……よし。


「おら臨也早く着替えろ」
「え?」
「俺が場所取っといてやるから」
「ど、どしたのさシズちゃん」
「いいから」
「う…ん」


遠慮気味に臨也は更衣室に向かっていった。


……ノミ蟲相手にどうしちまったんだろうな。


頭では疑問を感じながら、体は勝手に動くから困る。


ちなみに俺はあいつと違って服の下に水着を着ているので更衣室に行く必要はない。


「あー」


まぁ……たまにはこうゆうのも良いんじゃないか。


あいつと平和に過ごすのもよ。





「シズちゃーーん、おまたせー」
「おぅ、………っ」


臨也の水着は黒のハーフパンツで上にピンクのパーカーを羽織っていた。

その姿は本当にかわ……………何でもない。



「あ、シズちゃんの水着は赤なんだね」
「ま、まぁな」

「似合ってるね!!」



………………………………………………………………………。








「あ…そ」
「うん!!」


……コイツは満面の笑みでほざくから困る。


自分自身の表情や言動の威力をコイツは知らねぇんだよ。


「ねぇねぇシズちゃん、日焼け止め塗ってー」
「はぁ?んなの自分でやれよ」
「背中届かないんだよ」
「しゃーねぇな…」


渡された日焼け止めを手に取り臨也の背中に塗っていく。


……こいつ細いな
……ちゃんと食ってんのか



……………て!!


何で俺がノミ蟲の心配なんてしてんだよ!!



「お、おら!終わったぞ!!」
「シズちゃんありがとー」
「お、おぅ」



「よし!!じゃあ行こっシズちゃん!!」
「おぅ」


臨也に手を握られても嫌な気がしないなんて…俺も暑さにやられたな。


8月の海は日差しが強く水面が反射して光っていた。


水に浸かり、最初は少し冷たかったが、少しずつ温度に慣れて行く。


俺は泳いだり、歩いたりしていたが、臨也は何処から持ってきたのかでけぇ浮き輪に乗ってプカプカ浮かんでいた。




「きもちいねー」
「そうだな」
「へへ!ひとらぁぁぶ!!」
「こんな所でやめろよ」
「えー」


お決まりのセリフを叫ぶ臨也を軽く叱ったらブーブー言われた。うぜぇ…。



「………シズちゃん」
「あぁ?」
「俺ね、シズちゃんを海に誘った時、断られたらどうしようって思った。」
「そ…うなのか」
「うん」
「だったら他の奴と行けば良かったじゃねぇか……お前の部下とか」
「……しょうがないじゃんか」




「シズちゃんと来たかったんだよ……!」



「………!!」






臨也はそう言うと俯いてしまった。


あ、やばい
みみ、あかい



「いざ、や」
「あ、え」

「…」

たまには、いいよな

素直に礼くらい。






「さ、誘ってくれて…あ、ありがと…な」
「…………っんう」


臨也は確かに頷き、また俯いた。


………水面に映った自分は林檎みたいに真っ赤だった。



「……〜っだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!おら臨也!!」
「え、ええ?」
「お前浮き輪から降りろ!!折角海来たんだから泳げ!!」
「な、何でさ」
「いいかぁ!!海っていうのはな」





「泳いで疲れて飯食って馬鹿みてーに笑う為にあるんだよ!!」








とりあえず、




このノミ蟲の勇気と俺の貴重な時間を無駄にしない為にその白い身体を水面へと引きずり落とした。






end

この後泳ぎまくって疲れて飯食って笑いあってまた来る約束をします。

純様へ捧げる相互記念小説です。こんな駄目駄文ですが…。
純様のみお持ちかえり可です!!

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