企画提出

□いま伝えたい愛がある
1ページ/1ページ

月六企画『君の隣で息をする』へと提出させて頂きました。

六臂様は月島くんを振り回せば良い。

※月島くんと六臂様がナチュラルに同居、だけどできてない。


















月は綺麗だ。



「そう思わないか?月島」


少なくとも私はそう思う。


「……まぁ綺麗ですけど、」

「けどって何だ?文句があるのか」

「いやどうして急にそんな話を?」

「月を見てたら綺麗だと思ったからだ。」

「六臂さん単純…」

「う、うううるさい!!私は単純なんかじゃないっ!!」

「はいはい…」

「う…言いくるめたな月島…!」


月島は私の数少ない友人であり、理解者だ。


そんな月島と私は今、縁側から夜空を見上げていた。



「六臂さん、風邪ひきますよ」

「んーまだいい」

「寒くないんですか?」

「寒いぞ。」

「えっ…じゃ、じゃあ毛布でも取ってきますが?」

「いや、月島が暖めてくれ」

「えっ…?ええ!?」

「…何だ?月島は私を暖めてくれないのか?私を暖めるのは嫌か?」

「いっ…いやじゃ、ないです!!ないですけど…!!暖めるっ…て、つまり、その」

「抱きしめてくれ」

「へ?」



「月島が抱きしめてくれればそれでいいよ」




「…は、い」


月島は頬を朱色に染め、遠慮がちに私を抱きしめた。


ん、これでいいんだ。



「あった、かい」

「……そうですか」



月島は呆れるように、私の耳元で溜め息を漏らす。


「……六臂さんはわざとなんですか?」

「何が」

「……やっぱ何でもないです」


また、深い溜め息。


………。


「…なぁ月島」

「はい?」

「月島と私は友達だよな?」

「……そーです、ね」

「……っ」


すると何故か月島は自虐的な笑みを浮かべながら俯いた。


チクリ。


「…、ちが、うんだ」

「え?」

「そんなかお…させたかった訳じゃないんだ…」

「…六臂さん」


ぎゅ…。


「月島、月島」

「……」

「私、」




「月島と友達なの、やだ。」




「え!?」


月島が耳元で大きな声を出した。


「ろろろ六臂さん!?それは僕には友達の価値も無いということですか…!?」


月島が五月蝿い。抱き締められているから見えないが多分涙目だろう。


予想以上の慌てっぷりに圧倒されながらもちぐはぐに言葉を紡ぐ。



「ち、違う、全然違う」

「じゃあ…っ」

「解らないん、だ」


そう、本当に解らない。

「月島と、居ると苦しい。」

「…っ」

「最初…、は楽しかったよ…?でも…何か最近変なんだ。」

「……そ、れは」

「でも、こうやって月島に抱き締められてると安心するんだ…何だろう」



「何だろうこれ」




熱い。


私も月島も熱い。


月明かりに照らされているのに、妙な気分。


……きっと、私も月島も解ってるんだ。


解ってるのに、言えないのが私。


ねぇ、月島。




「 、」




抱き締められていた、手が外され、月島の顔が目の前に現れる。


あ、瞳、綺麗。




「つき、」

「六臂さん」




数秒考え込んだ月島が何かを決意したような目で私の言葉を遮った。




「あの、」






end


中途半端な終わり方でごめんなさい…っ。

つきろぴはピュアなのが好きです!

題に添えているでしょうか?(汗)

素敵な企画に参加させてくださりありがとうございました!



お題配布元:空想アリア

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ