短編

□百万回の大嫌いよりたった一回の愛してる
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日常的な静臨と言い張る。















今日はいつも通りトムさん、ヴァローナと一緒に取り立ての仕事に勤しんでいた。

そしてまた出会ってしまったのだ。

…声を聞くだけで胸糞わりぃノミ蟲野郎に。






「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃざぁぁぁぁぁぁぁやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

「あは!!シズちゃんいたいたー!!!!」

「…あ?」

いつもと少し反応が違う。

『いたいたー』…ということは、

俺を…探してた?

「あのね!!シズちゃんへの新しい嫌がらせを考えてきましたー!!」
「よし、殺す」
「そんな事言わないでさぁ、……あのね」



するとノミ蟲は俺の目を真っ直ぐに見つめ真剣な表情になる。

俺も普段見ないノミ蟲の表情に圧倒され、つい動きを止めてしまった。

一体何だっていうんだ…


「シズちゃん…あ、あのね」
「お、おう」







「愛してる」









―は?




「俺はシズちゃんを愛してる!!」



時間が止まった気がした



顔に熱が集まっていく。


「なっ…な、な、な」
「………ぷっ」
「!?」

「ばかだなぁシズちゃんは!!嫌がらせって言ったじゃん!!」

次の瞬間には臨也は元の臨也に戻っていて、うぜぇ表情でけらけら笑ってた。

「……………っ!!い、いぃざぁぁやぁてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

「あは!!嫌がらせ成功☆」

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!」

「断る☆じゃあねー!!」


ノミ蟲の野郎は散々俺を馬鹿にしたあげく、笑いながら逃げていった。


「…………〜っ!!と、トムさん!!!!」

「あー…今日の仕事次で終わりだしな…行ってこい」

「すいません!」


つくづく良い上司を持った俺は幸せだなぁ、と思う。


………臨也の野郎、ぜってー許さねぇ!!




あの嫌がらせ!!俺もやってやろーじゃねーか!!















「(………嫌がらせな訳ないじゃん、シズちゃんのばか)」
「(少し嬉かったなんて思ってねーし!!)」




end

シズちゃんも臨也さんも素直じゃないのです。

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