短編

□鍋、おいし
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正→臨←波。でも正臣くんと波江さんは敵対してません。

新宿組は仲良し。










私の雇い主でもある情報屋の男が、いきなりわがままを言い出した。


「波江、鍋たべたい」


まぁこの男はいつもわがままだけれども。

「……食べればいいじゃない。」
「まだ臨也さん言ってんすか…」
「まだ?」
「臨也さん、波江さんが来る前からずっと言ってるんですよ。」
「ふぅん」
「鍋たべたい」
「臨也さん…いい年してんすから我儘言わないで下さい。」
「じゃあ作っとくから勝手に食べなさい」
「波江さん俺も手伝います。」


ガタッ
「ちっ…ちがうし!!」

「「はぁ?」」
「何が違うんですか…」
「だっ…だから」

すると臨也は何故か顔を少し赤らめ、焦っているようだった。

いや、実際焦っているのかしら。


「臨也」
「臨也さん?」

「だか…らさ!!」


「鍋…は1人でたべてもおいしくないよ…」


「だから、」





「紀田くんと波江さんと一緒にたべたい…な」




「「………………………………………………………………はぁ」」

びくっ

「貴方馬鹿ね」
「ほんっと馬鹿ですね」
「え、ひ、酷い」
「私は買い物してくるから紀田正臣、鍋と食器用意してなさい。」
「了解っす」
「!」
「な、波」
「ほら!臨也さんはテーブルの上片してください」
「え、あ、紀田くん?波江?」
「何すか」
「何よ」

「……………………っな、何でもない!!」



臨也は機嫌を良くしたようでふにゃりと笑った。

「…………っ!!」
「紀田くん?」
「り、」
「り?」




「リンダリンダーー!!」
「何故急に」





財布を握り締めながら雇い主に再び毒を吐く。
「貴方、本当に馬鹿ね」
「だから何故急に!?」

本当に素直じゃない。

最初から正直に思った事は言えばいいのよ




私も紀田正臣も、貴方の笑顔に弱いんだから。






……これを本人に言えない私もそこの将軍も、相当素直じゃないけれど。



「(特売終わってるかしら…)」
「(臨也さんのばか)」
「(二人とお鍋…)」

end



新宿組は全員ツンデレです

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