短編

□あーもうまじか
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佐→←相

佐藤さんが自覚する話。












北海道某所、
ファミリーレストランワグナリア。

それが俺、佐藤潤のバイト先だ。

俺はそこで主にキッチンを担当している。

バイト仲間も店長も変人ばかりだが、そこそこ収入もあるし、案外楽しかったりもする。

……しかし、今俺は悩んでいた。

「さとーくんどうしたの?顔色悪いよ」

こいつ…同僚の相馬についてだ。


「さとーくん?」
「……何でもねぇから気にすんな。」
「そう?」

いや、理由は解ってるんだ。解ってるんだが…

認めたくない。

「いっ」
「………っどうした」
「はは…少し火傷しちゃっ「馬鹿、早く冷やせ」
「えっ」

左手で相馬の手首を掴み、右手で蛇口を捻った。

ジャアー

「あ、ありがとさとーくん」
「ん」
「…………。」
「…………あのよ」
「なっ何?」

「気を、つけろよ」
「う……、ん」



「……」
「……………」

沈黙がきつい。
いつもはペラペラうるせぇ癖に。





「…………………でよ
「あ?……、っ」

って



なんつー顔してんだよ。
ふざけんな。


今にも泣きそうな顔で、相馬が、



「あ、ありがとさとーくん!!じゃあね!!」

「おっおい!!」



ぱたぱた…

相馬は行ってしまった。
それと同時に理解した。


「あーまじか」

壁に寄りかかりずるずると力が抜く。

相馬が小さな火傷をしただけでスゲー焦った。

相馬にお礼を言われただけで嬉しくなった。

相馬の泣きそうな顔を見て泣きそうになった。

聞こえてたのに、聞き返した。

その言葉の意味が知りたくて。


まぁあれだな、これは
俗に言うあれだろ。




恋……………………………て奴だろ。ジーザス。



















「……期待させないでよ、ばかさとーくん」



end

初佐相でした。
佐→←相だけれども…。
珍しくギャグじゃない…?

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