さびしいけどすきなんだ
□「よく言われる」
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喉が千切れるくらい咽び泣いて俺を否定して
俺は俺を肯定したお前を肯定する
「だ、れだ」
「……何か辛いことでもあったのか?」
「……別、に」
「……」
知らない奴に話し掛けられても、俺はいまだに涙を垂れ流していた。
知らない人にはついていかない。
昔、建前だけの教師に教えられた気がする。
「おっ俺…平和島、静雄」
随分と笑える、けどいい名前だと思った。
「お前は?」
答える義理も何も無い。
無いはずなのに。
「折原……臨也」
彼になら教えていい気になったんだ。
どうしちゃったんだろうね、俺。
涙と一緒に流れ落ちたんだと、下らない言い訳を脳裏に浮かべた。