さびしいけどすきなんだ

□「なんで……泣いてんだ?」
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「臨也」
「…………………」
「おい臨也聞いてるのか」
「……………」
「……全く、いつ育て方を間違えたのやら」
「……」


父は嫌いだ
それに逆らえない母も嫌いだ
何も出来ない妹達も嫌いだ



この家が、嫌いだ。





「臨也勉強はしたのか」

うるさい

「……返事をしろ」

うるさい

「聞いてるのか臨也!!」

うるさい

「臨也!!!!」

あーあーあーあーうるっさいなぁぁ

なんなんだよ

父が俺の胸ぐらを掴み毒を吐き捨てる

「お前は何様のつもりなんだ!!!?俺の話が聞けないのか!!!?」

そのセリフそのままバットで打ち返してやろうか

「離せよ」



「…………あ?」
「離せっつってんだよ人間の言葉も理解出来ねぇのかテメェは」

これだから人間以下は困っちゃうよねー


「何だその口の聞き方…、っあ!?」
「あーあ」

離さないから右手に隠してたナイフを使うはめになっちゃったじゃないかぁー

「………っ臨也それを捨てろ!!」
「はい黙れー」
「……ぐ!?」


太腿に刺したナイフをぐるりと回す。


「 ぁぁぁ ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

父は痛みを感情のままにみっともなく叫び、俺は笑いたいのを押さえ付けナイフを引き抜いた。

「いっ…ざ、や」
「ねぇ父さん」


「もう一生会えないことを心の底から願っています」



そう吐き捨てた俺は夜の池袋へと歩きだした。



躊躇い?はは、冗談





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